BASE(ベイス)上場とIPO初値予想【公募割れ濃厚で赤字企業】独自評価あり
BASE(ベイス)IPOが新規上場承認されました。市場はマザーズで主幹事は大和証券とSBI証券の共同主幹事案件になります。また海外市場へ海外販売も予定されています。しかし実力とは大きくかけ離れた株価に驚きもあります。
最近は地合いが良いところでVCによる換金性が高いIPOが多い気がします。大型案件の場合初値が上がらず一段と参加者が減るのでやめて欲しいですね!
公開株式数8,011,800株、オーバーアロットメント1,201,700株になり上場規模は約150億円です。また大型換金がきた感じで意欲的になれませんよね。
Eコマースプラットフォームでは有名なんですけどここまで酷いとは?という印象です。市場の優位性を維持できるのでしょうか。個人売買も増えているためネットショップ開設者も増えているのでしょう。
業 種 | 情報・通信業 |
上場市場 | マザーズ |
公開予定 | 10月25日 |
BB期間 | 10月09日~10月16日 |
企業ホームページ | https://binc.jp/ |
事業の内容 | Eコマースプラットフォーム「BASE」及びオンライン決済サービス「PAY.JP」の運営等 |
【手取金の使途】
手取概算額646,150千円及び前記「1 新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限1,946,771千円については、事業の拡大及び新機能開発に伴う人件費及び採用費、認知度向上及び顧客基盤拡大に係る広告宣伝費並びに本社オフィス増床に伴う費用に充当する予定であります。具体的には以下の投資を予定しております。
①BASE事業においては、事業の拡大に伴うカスタマーサポート、マーケティング及び管理部門の増強並びに新機能開発、既存機能のバージョンアップ及び規模拡大に伴うインフラの整備等に係る人員の増強に伴う人件費及び採用費に充当する予定であります。
また、PAY事業においては、事業の拡大に伴うカスタマーサポートの増強及び規模拡大に伴うインフラの整備等に係る人員の増強に伴う人件費及び採用費に充当する予定であります。その結果として、686,000千円を充当する予定であります。
②当社グループのサービスの認知度向上及び顧客基盤の拡大のためのオンライン広告、TVCM等の広告宣伝費として1,030,000千円を充当する予定であります。
③人員拡大に伴う本社オフィスの増床に係る賃料として222,000千円を充当する予定であります。
残額については、将来における当社グループのサービスの成長に寄与するための支出、投資に充当する方針でありますが、当該内容等について現時点で具体化している事項はなく、今後具体的な資金需要が発生し、支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
目次まとめ
BASE(4477)IPOの業績と事業内容
業績が拡大傾向にあるようですがベンチャーキャピタル出資の資金回収のために上場する感じがしてイメージが悪いです。しかも上場規模が大きく売出株が多くを占めています。チャットワークも似たような感じですよね。
同社はEコマースの課題となっていた決済機能の導入に係る審査期間を短縮すること、専門的なWebサイト構築やWebデザインの技術を使わずに、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップが作成できる仕組みを提供することを目的として設立しています。
オンライン決済サービスを運営するピュレカ株式会社を子会社化したことでオンライン決済サービス事業を加速させ、オンライン決済サービス「PAY.JP」、ID決済サービス「PAY ID」の提供を開始するに至っています。
2018年1月には「PAY.JP」、「PAY ID」事業を分社化し100%子会社となるPAY株式会社を設立しています。連結子会社のPAY株式会社とBASE BANK株式会社、同社の合計3社で構成されています。
BASE事業の「BASE」は、ネットショップ作成サービス及び当該サービスによって開設されたショップの商品が購入できるショッピングアプリ等を提供するEコマースプラットフォームです。
ビジネスを展開する法人、地方自治体をはじめとする行政機関にも利用されているサービスになります。専門的なWebサイト構築やWebデザインの技術を使わずに、提供するデザインテンプレートを選択するだけで誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを作成することが出来ます。
また、Eコマース運営の課題となっていた決済機能の導入に係る時間を短縮する仕組みとして独自の決済システム「BASEかんたん決済」を提供し、ネットショップの開設から決済機能の導入までをワンストップで提供しています。
これらによりネットショップの作成時間、運営費用、Web技術など様々な理由で、ネットショップを始めることが困難だった方でも手軽にネットショップの開設・運営を始めることができる仕組みを構築しています。
この他、「BASE」の出店ショップに対しリアルの場で商品を販売する機会も提供しているそうです。
リアル店舗出店スペースでは実店舗の開業を目指すブランドに対して、百貨店等と連携して販売や接客ノウハウをサポートしブランドの認知度の向上や 新規顧客の獲得など、ネットショップに限らずブランドの商機を拡大する支援を実施しているそうです。
2019年8月に「BASE」のショップ開設数は80万ショップを突破しています。ネットショップ開設実績が2年連続No.1だと株式会社マクロミルの調査で発表されています。
「PAY.JP」は、Webサービスやネットショップにクレジットカード決済を簡単に導入できるオンライン決済サービスです。
個人・法人を問わずあらゆる開発者が導入しやすいシステム設計としており、「申請に時間がかかる」「高い」「使いにくい」という従来の複雑なオンライン決済サービスの問題を解決しています。
さらに導入を圧倒的に簡単にすることで、インターネット上の「モノの売り買い」の可能性を拡げ、人々のインターネットを通じた経済活動がこれまで以上に活発になるよう支援しています。
シンプルなAPIと豊富なライブラリでスムーズに決済機能を組み込むことがで、「PAY.JP」を使えば最短で翌営業日からWebサービスやネットショップで決済機能を利用することができるようになるそうです。
その他事業では、連結子会社のBASE BANK株式会社で「BASE」を利用するショップオーナーから将来発生する債権を買い取ることにより事業資金を提供する、資金調達サービス「YELL BANK」等のサービスを展開しています。
「YELL BANK」は「BASE」のショップデータを活用することで、BASEショップの将来の売上を予測し、当該予測に基づき将来債権を買い取ることによりショップオーナーに事業資金を提供する資金調達サービスです。
BASE(4477)IPO仮条件から公開価格の日程
想定価格 | 1,630円 |
仮条件 | 1,150円~1,300円 |
公開価格 | 10月17日 |
想定価格から試算される市場からの吸収金額は約130.6億円です。オーバーアロットメントを含めると約150.2億円になります。上場規模が多き赤字ベンチャー企業ですね!
以前から上場観測がありましたがようやく収益的に見込みが出てきた水準での上場です。2017年12月決算で12.7億円弱の赤字を出しています。売上は11.5億円しかありません。VC出資で資本金はあると思いますが上場で回収できる構造ですね。
なんだかIPOに参加するのが怖い銘柄のような?と感じました。有名企業なんですが今の地合いでは厳しいでしょう。海外引き受けが30%くらい行けばいいのか?簡易的なグローバルオファリングなのでそれはないでしょうね。
BASE(4477)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 405,000株⇒ 522,600株 |
売出株数 | 7,606,800株⇒ 6,704,800株 |
公開株式数 | 8,011,800株⇒ 7,227,400 |
OA売出 | 1,201,700株⇒ 1,084,100株 |
引受幹事 | 大和証券(共同主幹事) SBI証券(共同主幹事) みずほ証券 野村證券 SMBC日興証券 三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 auカブコム証券 いちよし証券 極東証券 |
※株数が仮条件発表時に変更されているので要注意です
当選狙いだと大和証券もしくはSBI証券からの申し込みでしょう。配分率は大和証券の方が大きいのではないかと考えています。
株数が多くあまり人気があると思えないためどこから申し込んでも当選できるかもしれません。公開株数の95%弱が売出株なので上場ゴール感がありありです。だったら他の投資へ資金を回しても良いかな?と考えています。IPO投資にも少し陰りが出てきているような気がします。
SAMURAI(サムライ)証券は上場企業が運営しているため最近人気が出ているように思います。口座開設キャンペーンの他にも既存口座開設者向けのキャンペーンも行うようです。口座開設完了したので様子見です。
そしてSBI証券が最近力を入れているSBIネオモバイル証券のTポイント投資も微妙に利益が出てきました。日経平均が低いところで買って既に売却済みです。数百円の利益だけど毎月取引しています!
BASE会社設立は2012年12月11日、本社住所は東京都港区六本木三丁目2番1号、社長は鶴岡裕太氏(30歳)です。若いだけありメディアに多く登場している人物です。情報発信も戦略なのかも?
従業員は105人になり平均年齢32.2歳、平均勤続年数1.8年、平均年間給与約624万円です。年齢層も若く給与も高めの設定になっています。臨時雇用者は省略してあるため把握できません。
連結従業員は126人で内訳はBASE事業105人、PAY事業18人、その他事業に3人となっています。
BASE(4477)IPOの初値予想
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
鶴岡 裕太 | 4,364,000株 | 21.13% |
グローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合 | 1,923,200株 | 9.31% |
株式会社サイバーエージェント | 1,804,000株 | 8.74% |
SBI Ventures Two株式会社 | 1,661,200株 | 8.04% |
グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合 | 1,592,000株 | 7.71% |
株式会社丸井グループ | 1,261,200株 | 6.11% |
株式会社メルカリ | 1,242,400株 | 6.02% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である鶴岡裕太、並びに売出人である藤川真一は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月21日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を共同主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。
また、売出人かつ当社株主であるSBI Ventures Two株式会社、グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合、Fin Techビジネスイノベーション投資事業有限責任組合、イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合、~以下株主省略~ は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年1月22日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を共同主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、共同主幹事会社を通して行う売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
さらに、当社の新株予約権を保有する鶴岡裕太、藤川真一、原田健、山村兼司、イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合、~以下株主省略~ 及びその他58名は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月21日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。
BASEIPO幹事引受け株数決まる
幹事団 | 引受け株数 | 割合 |
大和証券(共同主幹事) | 5,565,100株 | 77.00% |
SBI証券 | 1,084,100株 | 15.00% |
みずほ証券 | 234,900株 | 3.25% |
野村證券 | 108,400株 | 1.50% |
SMBC日興証券 | 72,300株 | 1.00% |
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 | 72,300株 | 1.00% |
いちよし証券 | 72,300株 | 1.00% |
極東証券 | 18,000株 | 0.25% |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
BASEIPOの直感的初値予想
第一弾⇒ 1,400円~1,700円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 1,150円~1,350円
※仮条件発表後
BASEIPOの初値予想
1,500円~2,000円
1,200円~1,400円(修正値)
思った通りに仮条件範囲が1,150円~1,300円と大きく引き下げられました。想定発行価格が1,630円だったことを考えるとかなり弱気な姿勢です。仮条件上限で330円の引き下げになります。
さらに株数の変更が行われているため下記のようになります。
公募株522,600株
売出株6,704,800株
オーバーアロットメント1,084,100株
上場規模は公開株数ベースで約94億円、オーバーアロットメントを含め約108億円とかなりスリムになっています。何とか公開価格割れをさせずに上場したい意向があるようです。ただ一度このような事態になると人気はないため個人投資家は警戒するでしょう!
2019年12月の本決算売上は36.7億円を見込み前期から56%の強烈な伸びとなっています。しかし経常利益ベースでは-5.6億円を見込み赤字予想です。来期に期待するしかなさそうですね。
EPSは-47.69になりBPS92.20になります。よってPBRは14.09倍、PERは赤字のため算出不可です。売出株やOAが減ってもロックアップが外れる90日後もしくはロックアップ1.5倍の1,950円はかなりの売り圧力があるでしょう。
買いたいとは思いませんが株価が落ち着いたら機関投資家に買われそうなタイプのIPOでしょう。
BASE(4477)IPOを個人的に分析してみました
ストックオプション期間 | 株数残 |
2016年10月31日~2024年10月30日 | 164,000株 発行価格70円 |
2017年10月01日~2025年9月30日 | 178,800株 発行価格70円 |
2019年12月15日~2027年12月14日 | 1,101,200株 発行価格70円 |
2020年3月31日~2028年3月30日 | 174,000株 発行価格70円 |
2021年2月28日~2029年2月27日 | 98,800株 発行価格70円 |
2021年3月15日~2029年3月14日 | 5,200株 発行価格70円 |
2017年12月01日~2027年11月30日 | 106,000株 発行価格70円 |
ロックアップは180日間(2020年4月21日)と90日間(2020年1月22日)にわかれていて、90日間には発行価格の1.5倍でロックアップが解除される条件が付けられています。90日間は主にVCが保有している株です。
ストックオプションの株数残や発行価格は上記のようになります。448,800株が行使期限を迎えていて発行価格70円とかなり低い位置にあります。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の19,227,000株から算出すると想定価格ベースで約313.4億円になります。
有名な企業になるけれど不参加でもよい気がしています。利益が出ても数千円のような気がするため積極的な参加は控えておきたいと考えています。ここに資金を使わずに温存しておいて他の銘柄で使いたいですよね。
大手予想が利益が見込めると発表してきたら参加スタンスを変えますけどなさそうですよね。
IPO幹事や委託幹事を意外に引受ける前受け金不要証券⇒ むさし証券
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