JMDC上場とIPO初値予想【幹事配分や独自評価あり】
JMDC(4483)IPOが新規上場承認されました。市場はマザーズで主幹事は野村證券が単独で引受けます。医療系のIPOになるため気になる銘柄です。
同日3社上場となっているため少し心配になります。ランサーズ(Lancers)よりは期待が出来るでしょう。売上は前期で100億円を超え、利益は10億円超えです!
公開株式数5,100,000株、オーバーアロットメント765,000株なので株数が多くなっています。
同社が行っているサービスは専門的ですが、ノーリツ鋼機グループでも似たようなことを行っています。調べるとヘルスケア関連事業ではあるけれどICTを活用したサービス提供を主としたものではないためグループ内で競合はないそうです。
業 種 | 情報・通信業 |
上場市場 | マザーズ |
公開予定 | 12月16日 |
BB期間 | 12月02日~12月05日 |
企業ホームページ | https://www.jmdc.co.jp/ |
事業の内容 | 医療データベースの構築と提供、PHR等の健康増進サービス、画像診断等の遠隔医療、調剤薬局へのデジタルソリューションの提供 |
【手取金の使途】
手取概算額5,134百万円については、①当社における設備資金としてのシステム投資、②連結子会社における設備資金としての投融資に充当する予定であります。また、残額につきましては運転資金としての人件費に充当する予定であります。
①既存事業における顧客及びデータ量の拡大に対応するための資金として1,703百万円、PepUpのサービス対象を拡大するための資金として560百万円、保有データの増加対応に伴う次世代データ基盤構築のため資金として1,485百万円を充当する予定
②連結子会社である株式会社ドクターネットにおける、顧客及び取扱い画像数の拡大に効率的に対応するための基幹システムの改善及びサーバー容量の増加のための資金として771百万円、連結子会社である株式会社ユニケソフトウェアリサーチにおける、クラウド型の新製品開発のための資金として443百万円を充当する予定であります。
※有価証券届出書(EDINET)抜粋
目次まとめ
JMDC(4483)IPOの業績と事業内容
目論見を見る限りこれまで赤字はなく、売上は拡大傾向にあり利益面に少し波があるようです。上場規模が大きく株数も多いため若干不安なIPOです。上場時期が違えば積極的に狙えた銘柄かもしれません。
グループ企業はノーリツ鋼機(7744)を親会社とする企業集団に属し同社および子会社8社により構成されています。「医療費の増大」「医療の地域格差」「生活習慣病の増大」「労働力不足」といった社会課題に対しデータとICTの力で解決に取り組むことで国民医療制度の実現を目指している企業です。
事業はヘルスビッグデータ事業、遠隔医療事業、調剤薬局支援事業に細分化され売上が大きいのはヘルスビッグデータ事業になります。
ヘルスビッグデータ事業でも細分化されたサービスがあり、主に健康保険組合に対して紙・画像レセプトを含めたレセプトデータ、健診データ、台帳データ等をデータベース化すること、そのデータを保健事業におけるPDCAに活用することを支援する様々なサービスを提供する「保険者支援」
保険者支援サービスを提供している健康保険組合に対して、同社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)による個人向け健康ポータルサイトを運営している「PHR(パーソナルヘルスレコード)」
さらに「医療ビッグデータ」や「薬剤DB」などに細分化されます。売上が大きいのは医療ビッグデータのようです。
遠隔医療事業では、連結子会社であるDN、MIC、DNCは、契約読影医群をデジタル環境でつなぎ、医療機関に対して遠隔画像診断サービスを提供しています。
日本の医療施設は約11万施設存在するのに比して、放射線診断専門医は約5,500名となっており、放射線診断専門医の過重労働や専門医の診断がつかず誤診につながる症例が問題となっています。
そのような中で、同社グループの遠隔画像診断サービスの利用によりクライアントである医療機関は不足する放射線診断専門医の採用に苦慮することなく読影リソースとスキルを活用することができ、最適な医療判断を行うことができるそうです。
2019年3月末時点で契約読影医が650名、契約医療機関が700施設の規模にまで成長しています。24時間365日対応、専門性の高い読影医のマッチングなどによるサービス品質向上や差別化を行っています。
この遠隔読影マッチングサービスを通して多くの画像診断データに日々アクセスしており、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを、日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発等にも取り組んでいます。
さらに読影ニーズが増加している中国・東南アジアにおける展開を行っています。
調剤薬局支援事業では連結子会社であるUSR、JMP、KNDは、調剤薬局向けの業務システム(レセコン、電子薬歴など)を提供し、薬剤を処方する薬剤師が必要な情報を適切に患者に提供できる環境「スマートファーマシー」の構築を目指しています。
保険薬局市場は既に成熟市場に至っており、保険薬局数の伸び率はこの数年1%程度に留まっています。このため、USRのシステム販売事業においては、全体の約8割が既存顧客の買換え、約1割が既存顧客の新店開局、残る約1割が他社メーカーからのリプレース及び既存顧客以外の新店開局という構成比となっています。
JMDC(4483)IPO仮条件と公開価格の日程
想定価格 | 2,780円 |
仮条件 | 2,780円~2,950円 |
公開価格 | 12月06日 |
想定価格から試算される市場からの吸収金額は約141.8億円です。オーバーアロットメントを含めると約163億円になります。上場規模が大きめなので少し心配ですが業績不安がないため期待したいIPOです。
今期は増収増益になるため上場タイミングとしてはよいのかもしれません。またノーリツ鋼機(7744)の子会社になるためプラス材料もあります。親子上場懸念も最近はありませんからね。
JMDC(4483)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 2,000,000株 |
売出株数 | 3,100,000株 |
公開株式数 | 5,100,000株 |
OA売出 | 765,000株 |
引受幹事 | 野村證券(主幹事) みずほ証券 SMBC日興証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SBI証券 マネックス証券 |
委託見込 | auカブコム証券 DMM.com証券(PR) SBIネオトレード証券 |
株数が多いため利益が出そうであれば複数の口座から抽選に参加したいと思います。委託幹事も出てくると思うので準備だけは周到にしておきましょう。上場時期に残念だと思います。基本的に利益が見込めるIPOだと考えています。
マネックス証券からの申込だと当選後にキャンするが出来るためとりあえず申し込みを考えています。auカブコム証券も抽選参加だけしておき当選狙いに切り替えた時に購入申し込みを行えばよいですよね。
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もう半年くらいTポイントを積極的に貯めています。現金とポイントの併用もできるため便利なんですよね。50万円を超える売買はコスト面で勿体ないため超えないようにしています。
JMDCの会社設立は2013年5月07日、本社住所は東京都港区芝大門二丁目5番5号、社長は松島陽介氏(47歳)です。
従業員数200人(臨時雇用者28人)、平均年齢37.1歳、平均勤続年数3.1年、平均年間給与約650万円です。連結従業員は469人と多く臨時雇用者45人となっています。
JMDC(4483)IPOの初値予想とロックアップ
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
ノーリツ鋼機株式会社 | 20,595,776株 | 77.26% |
松島 陽介 | 1,432,690株 | 5.37% |
山元 雄太 | 1,166,288株 | 4.38% |
杉田 玲夢 | 515,942株 | 1.94% |
PKSHA Technology | 466,000株 | 1.75% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるノーリツ鋼機株式会社並びに当社株主である松島陽介、山元雄太、杉田玲夢、木村真也、上沢仁、岡山太郎、生駒恭明、長谷川雅子、山田猛、宮原禎及び貞廣亜紀は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2020年3月14日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)を行わない旨合意しております。中略
第6回新株予約権、第7回新株予約権、第8回新株予約権、第9回新株予約権、第10回新株予約権、第11回新株予約権及び第12回新株予約権の割当てに関し、当該新株予約権の割当てを受けた者は、当該新株予約権について、上場後1年を経過する日までの間は、当該新株予約権を行使しない旨当社と合意しております。
幹事引受け株数と割合を調べた結果
幹事団 | 引受け株数 | 割合 |
野村證券(主幹事) | 4,080,000株 | 80.00% |
みずほ証券 | 306,000株 | 6.00% |
SMBC日興証券 | 306,000株 | 6.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 306,000株 | 6.00% |
SBI証券 | 76,500株 | 1.50% |
マネックス証券 | 25,500株 | 0.50% |
auカブコム証券 | 取扱い決定! | -% |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
上場承認後の直感的初値予想と仮条件後の予想!
第一弾⇒ 2,800円~3,000円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 2,900円~3,300円
※仮条件発表後
JMDC初値予想と市場コンセサンス
2,800円~3,500円
2,900円~3,300円(修正値)
3,000円~3,500円(再修正値)
ノーリツ鋼機子会社にあたるため企業信頼は高く、医療ビッグデータという位置づけやテーマ性などからも一定の買い需要が発生しそうです。上場ラッシュだけが懸念される材料でしょう。基本的に買われてよい銘柄だと思います。
また、ロックアップ率が高く新株予約権も上場時点では売却不可となっている事から通常であれば買い需要は多いと思われます。仮条件も想定発行価格を下限として2,780円~2,950円になっていることから強気姿勢が伺えます。
2019年3月の事業別売上はヘルスビッグデータ43.1%、遠隔医療34.9%、調剤薬局支援22.0%となり事業別にしっかりとした収益を上げることが出来ています。
2020年3月の連結業績予想は売上112.1億円となり前期から11.3%増、営業利益19.5億円となり前期から32.5%増と増収増益見込みです。四半期利益も12.6億円予想なので前期から24.7%程増益を見込んでいます。
指標のPERは56.88倍(EPS51.86)、PBRは6.10倍(BPS483.53)になります。類似企業はWelby(4438)やデータホライゾン(3628)あたりでしょう。公開価格前後の初値になりしばらく株価は軟調になるかもしれません。一定期間経過すれば評価されてよいと思います。
JMDC(4483)IPOの評価と申し込みスタンス
ストックオプション期間 | 株数残 |
2020年6月16日~2028年6月14日 | 1,047,600株 発行価格702円 |
2021年1月22日~2029年1月20日 | 245,800株 発行価格747円 |
2022年5月01日~2029年2月28日 | 1,155,200株 発行価格747円 |
2021年3月02日~2029年2月28日 | 29,200株 発行価格747円 |
2023年5月01日~2029年7月31日 | 158,800株 発行価格2,250.5円 |
2021年11月01日~2029年8月31日 | 41,200株 発行価格2,250円 |
2023年5月01日~2029年7月31日 | 3,800株 発行価格2,250.65円 |
ロックアップは90日間(2020年3月14日)、ロックアップ解除倍率は設定がありません。ストックオプションの株数残や発行価格は上記のようになり行使期限に入っていません。新株予約権につていは上場後1年間は売却不可となっています。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の25,975,042株から算出すると想定価格ベースで約722.1億円になります。
ノーリツ鋼機を親会社にしているため魅力ある企業です。上場規模が大きくマザーズ上場は懸念されるところです。
日本の人口が減り続ける中でITを使った技術やクラウド化などが急がれ医療業界では待ったなしの状況でしょう。医師不足なども大きくメディアで取り上げられています。
類似企業も存在しますけれど上場後の株価はベンチャーキャピタルがいないため比較的安定すると思います。東証1部だと心配せずに積極参加だったと思います。マザーズ市場は残念ですね。
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