クリングルファーマ(4884)上場とIPO初値予想【幹事配分や独自評価あり】
クリングルファーマ(4884)IPOが新規上場承認されました。詳しく情報を調べたので参考になればと思います。上場市場はマザーズで主幹事は野村證券が引受けます。
上場規模は約6.3億円で公開株数580,000株、オーバーアロットメント87,000株です。想定発行価格は950円になっています。
鬼門のバイオ株になります。上場規模が低いため実は人気化するのでは?と思っています。もちろんVC保有株は多めです!
業 種 | 医薬品 |
上場市場 | マザーズ |
上場予定 | 12月28日 |
BB期間 | 12月10日~12月16日 |
企業ホームページ | https://www.kringle-pharma.com/ |
事業の内容 | HGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を用いた難治性疾患の治療薬の研究開発 |
【手取金の使途】
手取概算額498,920千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限76,038千円と合わせて、以下のとおり、継続して研究開発を行うための運転資金に充当する予定であります。
脊髄損傷(SCI)急性期パイプラインの研究開発費用(第Ⅲ相試験)として2021年9月期に237,259千円、2022年9月期に217,515千円、2023年9月期に21,451千円、2024年9月期に98,733千円を充当する予定であります。
※有価証券届出書(EDINET)抜粋
目次まとめ
クリングルファーマ(4884)IPOの業績と事業内容
今期は売上が4.7億程度上がるようですね。前期よりも赤字額が減りはしますが、上場タイミングとして良いのか判断が難しいです。
クリングルファーマは、難治性疾患に対する治療薬の研究開発を目指す大学発バイオベンチャーとして設立されています。
設立後、中村敏一氏の発見したHGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を開発パイプラインとして導入し、組換えDNA技術を応用したタンパク質の製造法の確立、非臨床試験の実施を経て、欧米及び日本における臨床試験を複数実施しています。
その結果、組換えヒトHGFタンパク質の医薬品としての安全性を確認し、脊髄損傷急性期を対象とする臨床試験においては有効性を示唆する結果、POC(Proof Of Concept)を得ることができたそうです。
従来の創薬バイオベンチャーの戦略としては、ここまでの研究成果を導出して製薬企業に開発・製造販売を委ねるのが常ですが、同社は組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として確実に社会に提供することを第一の使命と考え、自社で開発を続け、医薬品の製造販売承認を得る方針で事業を進めています。
臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社での医薬品製造販売承認申請を行うことを基本方針としています。
同社の臨床段階のパイプラインでは、脊髄損傷急性期と声帯瘢痕はAとBのハイブリッド(自社開発と販売提携)、ALSと急性腎障害はBによる事業化を目指しております。※Aとは自社開発・販売モデルのこと、Bとは導出・共同開発モデルのこと
同社の保有する創薬シーズは組換えヒトHGFタンパク質であり、組換えヒトHGFタンパク質を有効成分とした複数の製剤を用いて、各種臨床試験を実施しています。HGFは当初、肝細胞の増殖を促進する増殖因子として日本で発見されました。
増殖因子は細胞の表面に存在する受容体と結合することにより、細胞の核(遺伝子)にシグナルを伝達し、細胞の増殖開始のスイッチをオンにする物質です。
もともと体の中で働く物質であることから組換えタンパク質として製造が可能になれば、高い安全性と効果を併せ持つ医薬品になる可能性があります。
HGFはその後の研究によって、細胞増殖以外にも細胞保護、形態形成等の生物活性を併せ持つことが明らかになり、対象となる細胞も肝細胞だけでなく、腎臓、肺、皮膚等の細胞に対して効果があることが示されました。
特に、線維成分の蓄積により細胞の機能が低下する「線維化」や「硬化」を解除する作用(抗線維化という)及び神経細胞・グリア細胞等の神経系細胞に対する生物活性が明らかになると、複数の難治性疾患に対する治療薬の候補として様々な研究成果が報告されています。
クリングルファーマ(4884)IPO仮条件と公開価格の日程
想定価格 | 950円 |
仮条件 | 950円~1,000円 |
公開価格 | 12月17日 |
想定発行価格から試算される市場からの吸収金額は約5.5億円です。オーバーアロットメントを含めると約6.3億円になります。上場規模が小さいため初値利益が狙えそうな気がします。
ただバイオ株なのでどうなるのかは市場の勢いが必要だと思います。ペプチドリーム(4587)などはマイルスストーン関係で切り返していますよね。しばらく前にサンバイオ(4592)なども注目され材料が出れば急伸になるようです。
上場に際し全て公募株なのは印象がよさそうです。結局は赤字バイオですけどね。
クリングルファーマ(4884)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 580,000株 |
売出株数 | 0株 |
公開株式数 | 580,000株 |
OA売出 | 87,000株 |
引受幹事 | 野村證券(主幹事) SBI証券 SMBC日興証券 楽天証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 いちよし証券 東洋証券 エース証券 岡三証券 |
委託見込 | 岡三オンライン DMM.com証券(PR) SBIネオトレード証券 |
野村證券主幹事なので人気があまりなくても当選しにくそうです。株単価も1,000円以下だと2枚セットになるため承認段階では微妙です。
とりあえず抽選に参加できるところから申込を行いたいと思います。年末を意識した買いが入るかもしれませんしね。もしかしたら初値2倍くらいは見込めるかもしれません!
また年間48,000円分の情報を無料で見ることができるDMM.com証券(PR)がお勧めです。IPO抽選も前受け金不要で行えますからね。
IPOに当選しなくてもモーニングスターの株式新聞が無料で見れるためお勧めです。
クリングルファーマの会社設立は2001年12月21日、本社住所は大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号彩都バイオインキュベータ207、社長は安達喜一氏(53歳)です。※2020年11月28日時点
従業員数は10人(臨時雇用者0人)、平均年齢43.0歳、平均勤続年数2.9年、平均年間給与約425万円です。
クリングルファーマ(4884)IPOの初値予想とロックアップ
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
日本全薬工業株式会社 | 500,840株 | 12.12% |
慶應イノベーション・イニシアティブ1号投資事業有限責任組合 | 470,460株 | 11.38% |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 319,800株 | 7.74% |
THVP-1号投資事業有限責任組合 | 226,660株 | 5.48% |
CYBERDYNE株式会社 | 200,000株 | 4.84% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集に関連して、貸株人である日本全薬工業株式会社、並びに当社株主である慶應イノベーション・イニシアティブ1号投資事業有限責任組合、DBJキャピタル投資事業有限責任組合、THVP-1号投資事業有限責任組合、CYBERDYNE株式会社、岩谷邦夫、株式会社リプロセル、とうほう・ふるさと総活躍応援ファンド投資事業有限責任組合、バイオ・サイト・キャピタル株式会社 ~中略~ およびその他5名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月27日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く)を行わない旨合意しております。
幹事引受け株数と割合を調べた結果
幹事団 | 引受け株数 | 割合 |
野村證券(主幹事) | 464,000株 | 80.00% |
SBI証券 | 29,000株 | 5.00% |
SMBC日興証券 | 29,000株 | 5.00% |
楽天証券 | 17,400株 | 3.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 17,400株 | 3.00% |
いちよし証券 | 5,800株 | 1.00% |
東洋証券 | 5,800株 | 1.00% |
エース証券 | 5,800株 | 1.00% |
岡三証券 | 5,800株 | 1.00% |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
上場承認後の直感的初値予想と仮条件後の予想!
第一弾⇒ 1,100円~2,000円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 1,200円~1,500円
※仮条件発表後
クリングルファーマ初値予想と市場コンセサンス
初値予想1,400円~1,500円
修正値1,100円~1,400円
ファンペップと異なりなぜか人気があるよううです。単純に上場規模の違いなのか、もしくはある程度祭り化する要素があるのかもしれません。過大評価はできませんが売出し株がないことは評価対象なのかもしれませんね。
VC保有株は多いためロックアップが外れると売り圧力が高まりそうです。野村證券主幹事なので何とかなりそうだと考える投資家もいるでしょう。
2021年9月期の単独業績予想は売上2.06億円で経常利益-10.15億円になるそうです。前期よりも赤字額が大きいのは開発パイプラインの影響でしょう。
前期比較だと売上55.9%減、経常利益は前期が-1.16億円なので8.75倍もの赤字額が増加予定です。四半期利益は-10.17億円になるため前期の8.69倍の赤字になります。個人投資家は業績評価が難しいと思います。
大手初値予想を信じて投資してみたいと思います!
クリングルファーマ(4884)IPOの評価と申し込みスタンス
ストックオプション期間 | 株数残 |
2019年10月20日~2027年9月19日 | 230,000株 発行価格260円 |
2020年6月03日~2028年5月02日 | 20,000株 発行価格260円 |
2022年7月30日~2030年6月30日 | 20,000株 発行価格260円 |
2022年7月30日~2030年6月30日 | 217,000株 発行価格750円 |
ロックアップは90日間(2021年3月27日)、ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍になっています。安達喜一氏と松浦裕氏には普通株式の売却等を行わない合意を行っているそうです。
ストックオプションの株数残や発行価格は上記のようになります。250,000株が行使期限にはいります。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の4,227,700株から算出すると想定価格ベースで約40.2億円になります。
人気があるのか人気がないのか現段階では微妙なので大手初値予想を見てから考えたいと思います。証券紙でバイオ株が取り上げられることもあるため材料を探しておきたいと思います!
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タグ:IPO初値予想