共栄セキュリティーサービス上場とIPO初値予想【幹事配分や独自評価あり】
JASDAQスタンダード市場に共栄セキュリティーサービス(7058)IPOが新規上場承認されました。みずほ証券が主幹事を務め公開株430,000株、オーバーアロットメント64,500株、想定発行価格2,070円から吸収額を算出すると約10.2億円です。主に施設警備などを行う企業でオフィスビルや商業施設などの巡回を行っています。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関連する警備需要の取り込みを契機にしたいと考えているようで、上場を意識したのかもしれません。平成33年3月期は年間売上高前年比7%増を目指す経営指標を持っている企業です。
業 種 | サービス業 |
上場市場 | JASDAQスタンダード |
公開予定 | 3月18日 |
BB期間 | 2月28日~3月06日 |
企業ホームページ | https://www.kyoei-ss.co.jp/ |
事業の内容 | 施設警備、雑踏・交通誘導警備を中心とした警備業 |
【手取金の使途】
手取概算額748,760千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限122,833千円と合わせた、手取概算額合計上限871,593千円について、人材採用・人材育成等、新規エリア進出、社内基幹システム構築、事業生産性向上投資、その他運転資金に充当する予定であります。具体的には、以下の使途に使用する予定であります。
①人材採用・人材育成等のための投資
既存エリアの業績拡大を目的とした、各事業所(本社、営業所等)における人材採用活動強化のための投資、定着率上昇を企図した福利厚生充実のための投資、警備サービスの品質向上のための教育投資資金として300,000千円②新規エリア進出のための投資
新規エリアへの進出を目的とした、新規事業所や社員寮の設置資金、新規エリアで勤務する人材採用活動のための投資資金として200,000千円③社内基幹システム構築のための投資
業務効率向上を目的とした、社内基幹システム構築のための投資資金として100,000千円④事業生産性向上のための投資
事業生産性向上により当社警備サービスの付加価値を高め、持続的成長を実現することを目的とした、顔認証や指紋認証等のセキュリティーシステムの導入等による少人数で高品質かつ効果的な警備サービスを実現するための投資資金として100,000千円残額については、事業規模拡大のための運転資金(企業の社会的認知度向上のためのPR等)に充当する方針でありますが、具体化している事項はありません。なお、上記調達資金は、各々の具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する予定です。
目次まとめ
共栄セキュリティーサービス(7058)IPOの業績と事業内容
前期業績は53.4億円の売上に対し2.6億円の利益だそうです。直近の業績は拡大し自社においても利益を伸ばしたい考えが伺えます。上場による手取金も人材採用や教育、新規エリア進出に使われます。
同社は連結子会社1社、持分法適用関連会社1社の合計3社で構成され、警備事業を中心とした活動を展開しています。構成別売上の主力業務は施設警備になりオフィスビルや商業施設等に警備員を配置し、出入管理、巡回、緊急対処などを行っています。
レセプション・コンシェルジュでは、女性警備員による企業受付業務や商業施設のコンシェルジュを行っています。一般的な受付要員ではなく警備員教育を受け警備員を兼ね備えている特長があります。
この他、商業施設等の駐車場に警備員を配置し、出入口等の車両誘導、料金収受などを行う駐車場警備や航空機事故等に備えて空港に警備員を配置してる空港消防業務があります。
雑踏・交通誘導警備分野では交通誘導警備、イベント警備、ハイウェイ・セキュリティーなどを行っています。イベント会場ではラグビーやマラソンなどのスポーツ競技大会、コンサートなどのイベント会場において規制や誘導等の雑踏整理を行っています。
ハイウェイ・セキュリティーでは高速道路や自動車専用道路、サービスエリア・パーキングエリアにおける交通誘導警備などをメインに行っています。また、停車中の故障車の後方警戒による安全確保も行うそうです。
その他分野では、国内外の要人の身辺警護を行うボディーガードを行い、これまで企業役員をはじめハリウッドスターやアーティストなどの身辺警護を多数行っています。
この他、駐車場運営管理やマンション代行管理なども行っているそうです。気になったのは売上が主要取引先10社から約6割近くを売り上げていることです。これら取引先の動向によっては、大幅値下げや店舗の統廃合による既存の契約物件の解約等により、同社グループの業績に大きな影響を与える可能性があるようです。
警備業法に基づく規制が今後大きく変われば実質的な規則強化となりコスト増になる可能性もあります。
共栄セキュリティーサービス(7058)IPO仮条件から公開価格の日程
想定価格 | 2,070円 |
仮条件 | 2,040円~2,100円 |
公開価格 | 3月07日 |
想定価格から試算される市場からの吸収金額は約8.9億円です。オーバーアロットメントを含めると約10.2億円になります。
上場規模が小さいため利益が狙える水準です。地味な事業ですが業績が伸びているため初値需要はあるでしょう。
共栄セキュリティーサービス(7058)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 400,000株 |
売出株数 | 30,000株 |
公開株式数 | 430,000株 |
OA売出 | 64,500株 |
引受幹事 | みずほ証券(主幹事) SBI証券 岡三証券 岡三オンライン いちよし証券 あかつき証券 岩井コスモ証券 |
みずほ証券狙いになると思いますが、SBI証券からも狙えるかもしれません。ポイントボーダーラインは低いと思います。ただ使う方は限定的かもしれません。株数がそれほど多くないため意外に当選できないと思いますが、岡三オンラインやいちよし証券だと前受け金不要なので申し込みだけしておくとよいと思います。
後期型抽選の岩井コスモ証券でも取扱いがありますが、抽選参加と購入の2回申し込み作業が面倒です。たまに当選している方を見かけるので確実に申し込める方はお勧めします。私もたまに忘れます。
会社設立は1985年5月15日、本社住所は東京都千代田区九段南一丁目6番17号千代田会館、社長は我妻文男氏(60歳)です。従業員398人で平均年齢43.8歳、平均勤続年数7.7年、平均年間給与約336万円です。連結従業員数が413人で臨時雇用者1,198人とかなり人員も多いようです。
共栄セキュリティーサービス(7058)IPOの初値予想
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
合同会社あっとプラニング | 650,000株 | 59.77% |
マックスコーポレーション株式会社 | 100,000株 | 9.20% |
株式会社ケイ・エス・エス | 80,000株 | 7.36% |
我妻 文男 | 62,000株 | 5.70% |
株式会社サン総合メンテナンス | 50,000株 | 4.60% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である我妻文男、貸株人である合同会社あっとプラニング、並びに当社株主であるマックスコーポレーション株式会社、株式会社ケイ・エス・エス、我妻紀子、合同会社K-mac、阿部克巳は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の平成31年9月13日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成31年2月12日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。
共栄セキュリティーサービスIPO幹事引受け株数決まる
幹事団 | 引受け株数 |
みずほ証券(主幹事) | 387,000株 |
SBI証券 | 12,900株 |
岡三証券 | 8,600株 |
いちよし証券 | 8,600株 |
あかつき証券 | 8,600株 |
岩井コスモ証券 | 4,300株 |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
共栄セキュリティーサービスIPOの直感的初値予想
第一弾⇒ 2,400円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 2,500円
※仮条件発表後
共栄セキュリティーサービスIPOの初値予想
2,200円~3,000円
IPO地合いが良好のため同社も買われる予想となります。ただ個人的にはそれほど人気とはならないのでは?と考えています。東京オリンピックやパラリンピックを意識した買いは限定的でしょう。そもそも成長性があるとは言い難いため上値追いはないと考えられます。初値後はヨコヨコ展開でしょう。配当が75円(配当利回り3.57%)となっているのは魅力があります。2019年3月期は増収増益がほぼ決定しているようです。
共栄セキュリティーサービス(7058)IPOを個人的に分析してみました
ストックオプション期間 | 株数残 |
平成32年11月01日~平成40年9月30日 | 45,500株 発行価格1,900円 |
ロックアップは180日間(平成31年9月13日)、ロックアップ解除倍率は目論見に記載がないため設定なしになります。ストックオプションの株数残や発行価格は上記のようになります。ベンチャーキャピタル出資は株主名簿で確認ができません。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の1,442,000株から算出すると想定価格ベースで約29.8億円になります。
オリンピックやイベントに向けた収益増加が予想されますが、同時に人員不足でもあるようです。関東地方や東北地方に営業所や支店が多く点在し連結売上では「施設・巡回警備分野」の収益が大きいようです。ボディーガードでは、テコンドー元全日本優勝者や格闘技の現役選手など格闘技に精通しているスタッフも在籍しているようです。
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