スマート・ソリューション・テクノロジー上場とIPO初値予想【幹事配分や独自評価あり】
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOが新規上場承認されました。市場はマザーズで主幹事はみずほ証券が引受けます。
上場規模約4.7億円と小さく、公開株式数380,000株、オーバーアロットメント57,000株です。IT系の企業名と思っていたところ業種が機械になり主に製品販売を手掛けている企業でした。
業 種 | 電気機器 |
上場市場 | マザーズ |
上場予定 | 上場中止 |
BB期間 | 4月07日~4月13日 |
企業ホームページ | https://www.sstinc.co.jp/ |
事業の内容 | 企業向け非接触ICカードリーダ端末の販売、当該端末と連携した店舗向けO2Oサービスの提供、独自音通信技術のライセンス及び認証サービスの提供 |
【手取金の使途】
手取概算額326,696千円については、①製品開発関連費、②研究開発費、③広告宣伝費、④開発用機材購入費、⑤オフィス増床費に充当する予定であります。
①製品開発関連費
令和3年9月のリリースを予定している次世代端末製品(ピットタッチ・プロ3)の開発及び製造に係る人件費等の費用で119,600千円を見込んでおります。②研究開発費
音通信の通信速度と精度の向上及び新しい適用分野への応用の研究開発に係る人件費及び共同研究関連費用等の費用で57,600千円を見込んでおります。③広告宣伝費
音通信技術を活用した来店ポイント等の店舗販促の導入事例の宣伝活動及び令和3年9月のリリースを予定している次世代端末製品の販売促進に係る費用で110,000千円を見込んでおります。④開発用機材購入費
製品開発の効率向上による開発リードタイムの短縮を図るための開発用機材購入費として、29,000千円を見込んでおります。⑤オフィス増床費
札幌テクニカルセンターの人員増強に伴うオフィス増床費として、令和3年3月期に9,300千円を見込んでおります。※有価証券届出書(EDINET)抜粋
目次まとめ
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの業績と事業内容
業績は売上・利益共に問題なさそうです。しいて言えば事業規模が小さいことでしょう。前期売上10億円で利益が8,000万円となっています。
同社は「タッチポイントソリューション」として、ICカードやスマートフォンといった人が携帯する物と、企業が保有するソフトウエア等のシステムとを簡単に便利で安全に繋ぐための通信機器(Smart端末)の販売・開発を行っています。
さらにサービス及びプラットフォーム(SmartSoundサービス)の開発・提供を行っています。
同社が開発したSmart端末「ピットタッチシリーズ」には非接触ICカードによる通信や独自音通信技術による通信方式を採用した端末があり、勤怠管理などのビジネス用途と店舗等での販促用途に利用されています。
Smart端末の製造は自社で行っていますが、製造ラインは保有しておらず全て外部の製造委託先に製造を委託しています。また一部の部材は自社で調達し製造委託先に支給しているそうです。
ビジネス用途向けのSmart端末販売の特長は、アプリケーションベンダーやシステムインテグレータ等の販売代理店を経由して販売していることです。
主な利用用途は勤怠管理向けや経費精算、認証印刷及び登降園管理等、様々な分野で利用されています。
製品の特長は販売代理店が提供するサービスに容易に接続可能となる仕様を採用していることです。また販売代理店がエンドユーザに対してSmart端末を推奨できる状態を構築しています。
製品は「ピットタッチ・プロ2」「ピットタッチ・ビズ」になります。販促用途向けの「ピットタッチシリーズ」はSmartSoundサービス用の端末として販売し「ピットタッチ・シグマ」という製品が用意されています。
同社独自に開発した音通信技術は、スマートフォンのマイクとスピーカーを使用する技術のためスマートフォン機種への依存が少なくより幅広い対象にサービスが提供できます。
その他にもビルなどの施設に既存で設置されているスピーカーを使うことも可能なため特別な設備を必要とせず、スマートフォンとの通信環境を構築できるメリットがあります。
同社では「SmartSoundサービス」として、音通信技術とSmart端末を活用したO2Oサービス「Zeetleカードサービス」及び、音通信技術を用いたサービス構築において必要となるセキュリティに対応するための認証サービス「TrustSoundサービス」の提供を行っています。
Zeetleカードサービスは飲食や小売等の店舗やチェーン店を展開する企業を主なターゲットとしており、TrustSoundサービスは、音通信を活用したチェックイン、会員認証、決済などのサービス構築のニーズを有する企業を主なターゲットとしています。
O2O(Online to Offline)とはインターネット(ウェブサイトやSNS)を通してユーザーが来客したくなるようなアプローチのことです。
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPO仮条件と公開価格の日程
想定価格 | 1,070円 |
仮条件 | 4月03日 |
公開価格 | 4月14日 |
想定価格から試算される市場からの吸収金額は約4.1億円です。オーバーアロットメントを含めると約4.7億円になります。かなり上場規模が小さいIPOなので初値期待ができそうです。
事業魅力はあまり感じられませんが「スマート・ソリューション・テクノロジー」のネーミングもIT感が出ています。ただ多くの利益は「非接触ICカードリーダ端末等の販売」になるようです。
また「SmartSoundサービス」は将来的なストックビジネス成長の主軸になるように現在力を入れているビジネスのようです。
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 340,000株 |
売出株数 | 40,000株 |
公開株式数 | 380,000株 |
OA売出 | 57,000株 |
引受幹事 | みずほ証券(主幹事) 野村證券 いちよし証券 SBI証券 楽天証券 |
委託見込 | DMM.com証券(PR) SBIネオトレード証券 |
当選狙いだとみずほ証券からの申し込みになります。公開株数が若干少なめなので市場悪化の中でも当選確率は低いと思います。店頭からの募集申し込みだと配分期待ができるかもしれません。ネットだとSBI証券もしくは楽天証券からの申し込みになります。
またDMM.com証券(PR)がIPO取扱いを発表して1年くらい経過しました。ネットでは当選報告が出ているため今後の取扱いに期待しています。先日、IPOの取扱い発表を行いましたが中止になってしまいました。今後に期待ですね!
ちなみに前受け金不要でIPO抽選に参加できるため当選した後に入金を行えばOKです。この仕組みを採用している企業は調べたので参考になるかもしれません。野村證券も前受け金不要です。
スマート・ソリューション・テクノロジーの会社設立は2012年12月27日、本社住所は東京都新宿区神楽坂一丁目15番、社長は山川進氏(60歳)です。※2020年3月20日時点
従業員数は47人になり臨時雇用者はいません。また平均年齢は38.9歳、平均勤続年数4.2年、平均年間給与約553万円となっています。
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの初値予想とロックアップ
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
山川 進 | 470,000株 | 46.16% |
安田 寛 | 80,000株 | 7.86% |
大島 貴之 | 78,000株 | 7.66% |
木村 禎 | 43,500株 | 4.27% |
吉野 陽子 | 42,500株 | 4.17% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である山川進、当社株主である安田寛、大島貴之、木村禎、吉野陽子、川島昭彦、TIS株式会社、スマート・ソリューション・テクノロジー従業員持株会、難波弘行、山本篤、ビー・ユー・ジーDMG森精機株式会社、宇都泰孝、速水祐法、上田真史、三浦俊輔及び遠藤是知並びに当社新株予約権者である松本智は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の令和2年10月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く)等は行わない旨合意しております。
幹事引受け株数と割合を調べた結果
幹事団 | 引受け株数 | 割合 |
みずほ証券(主幹事) | 334,400株 | 88.00% |
野村證券 | 38,000株 | 10.00% |
いちよし証券 | 3,800株 | 1.00% |
SBI証券 | 1,900株 | 0.50% |
楽天証券 | 1,900株 | 0.50% |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
上場承認後の直感的初値予想と仮条件後の予想!
第一弾⇒ 1,300円~1,600円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 仮条件発表後
※仮条件発表後
スマート・ソリューション・テクノロジー初値予想と市場コンセサンス
仮条件後に記載予定
※仮条件前の初値予想は1,500円~2,500円でした
スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの評価と申し込みスタンス
ストックオプション期間 | 株数残 |
平成29年11月07日~令和7年11月06日 | 144,800株 発行価格210円 |
令和元年7月19日~令和9年7月18日 | 25,600株 発行価格370円 |
令和3年9月11日~令和11年9月10日 | 2,700株 発行価格610円 |
ロックアップは180日間(令和2年10月19日)、ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍以上になっています。ストックオプションの株数残や発行価格は上記のようになります。170,400株が上場時点で関係あるようです。
ただし新株予約権者である松本智氏がロックアップ対象になっています。株数は7,000株を保有しているみたいです。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の1,185,000株から算出すると想定価格ベースで約12.7億円になります。
地合いが悪くなければ全力で取りに行くIPOだと思います。上場規模が小さいだけでIPOは買われる傾向にあるため地合いさえ回復すれば軽く買われるはずなんですけどね。
地合い回復となればIPOの公開価格割れはなくなると思うので、いつでもIPO抽選に参加できるようにキャッシュ多めで準備しておきたいと思います。はやく通常の環境に戻ってほしいです!
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タグ:IPO初値予想