公募割れ確定?ステムリム初値予想修正値から見えたもの
ステムリムIPOは絶望的な上場となる見込みです。どう考えても想定した金額からかけ離れた資金吸収のため上場中止や上場延期を考えたほうがよいはずです。それでも上場してくることに違和感があります。
こうなったらシンジケートカバーによる初値形成としか考えられない状況です。人気になる要因を探しても見つからず大阪大学発の創薬ベンチャーという肩書もほぼ意味をもちません。
再生誘導医薬にはこれから期待があると考えられますが現実的に新薬ができるのはだいぶ先の話です。日本経済新聞には2年後に黒字化できると書かれていましたが状況から見て厳しいと思います。
地合いも悪化し、無理やり上場している気がしてIPO当選者も辞退者続出みたいです。
8月上場はステムリムだけなので資金集中となっても良いパターンなんですが、とにかく人気がなく初値予想930円~980円(修正値)となっています。幹事引受価格が930円なのでそれ以上の価格で初値形成になる見込みですが上場するまで油断できません。
仮条件範囲1,000円~1,700円の最下限に公開価格が決定したことも心理的に買い向かえない状況でしょう。
マザーズへ上場する予定となっておりマザーズ指数を確認するとレンジから離れて-3σまで下落しています。中国貿易戦争がまた始まり市場も不安定なようです。
ブックビルディングは需要件数が多数にわたっていたと目論見に書かれていましたが、仮条件下限のためネット証券からの応募で引き上げられた感じのようです。
ステムリムの求人を見つけました。気になるのは給与なので確認してみると正社員で300万円~600万円となっています。上場で得た資金も使われると思います。月給25万円~50万円になり残業あり、賃金形態が年俸制となっています。
大学院卒以上で細胞培養あるいは動物実験の経験が1~2年程度必要だそうです。この他、一般的な生物統計に必要な程度の知識や筆頭著者として査読付きの国際学術誌2報以上+alpha、研究以外での共同作業を必要とする職場での職業経験継続1年以上などが必要になるそうです。
上場しなければ研究員の給与も出ない状況なのか?と心配する声もあがっているようです。海外比率も大きかったのはどうやら国内で人気がなかったからか?と言われているため益々上場懸念が高まっているように思います。
公募株の海外配分は1,989,300株、売出しの海外配分が73,700株になります。主幹事SMBC日興証券なので当選しやすかったようですがこうなると当選も嬉しくありません。上場承認から公開価格決定までの間にわかったことは機関投資家からの評価が低く個人投資家にも人気がないと言うことです。
上場後は案外上値を試しにいくかもしれませんが数日は上値が重たい状態が続くと思います。バイオに限らずここまで波乱となった銘柄も珍しいためある意味注目される銘柄でしょう。難しいか?
塩野義製薬への売上が確認されていますけど臨床試験段階なので製品化はまだ遠いですよね。同社の冨田憲介氏は治験が進むに伴ってライセンス収入が増え2年後に黒字化できると仰っています。株主還元にも触れられていますが現在の状況では難しいとしか言えないでしょう。
勝手な考えですがどうも研究費用捻出のために無理やり上場しているようにしか感じられません。ステムリムが求めている企業価値と市場が考える企業価値に大きなギャップがありそうです。
相場が下落した時こそETFに投資が威力を発揮⇒ ウェルスナビ
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