リバーホールディングス上場とIPO初値予想【幹事配分や独自評価あり】
リバーホールディングス(5690)IPOが新規上場承認されました。市場は東証2部で主幹事は野村證券が引受けます。
上場規模は約51億円で公開株式数4,822,800株、オーバーアロットメント723,400株です。これは公開価格割れも考えられるIPOなのでは?と感じます。ただ意外と上場後は株価が右肩上がりになるケースも考えられそうですね。
ベステラ(1433)が筆頭株主になり他の上場企業ではエンビプロ・ホールディング(5698)や東京鉄鋼(5445)の名前が株主名簿あります。同社は三菱商事との関係が深く社長の松岡直人氏も三菱商事出身です。
社長は自社株式を保有していませんが子会社などの取締役も兼任しているようです。
業 種 | 鉄鋼 |
上場市場 | 東証2部 |
公開予定 | 3月24日 |
BB期間 | 3月05日~3月11日 |
企業ホームページ | https://www.re-ver.co.jp/ |
事業の内容 | 資源リサイクル事業 |
【手取金の使途】
手取概算額3,610百万円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限615百万円と合わせて、全額を当社の連結子会社5社の設備投資のための投融資に充当する予定であります。具体的な内訳及び充当予定時期は以下のとおりであります。
①メタルリサイクルにおいては、本社の破砕機の設置に係る工事費用に充当する予定であります。
②中田屋においては加須工場の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用、付帯設備の設置に係る工事費用、伊勢崎工場の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用及び栃木県下都賀郡壬生町に設置予定の新工場の作業棟・機械設備の設置に係る工事費用に充当する予定であります。
③サニーメタルにおいては大阪事業所の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用及び破砕物選別ラインに係る工事費用に充当する予定であります。
④フェニックスメタルにおいては、市原事業所の破砕物選別ラインの設置に係る工事費用として充当する予定であります。
⑤新生においては本社の作業棟・破砕装置の設置に係る工事費用としてを充当する予定であります。
※有価証券届出書(EDINET)抜粋
目次まとめ
リバーホールディングス(5690)IPOの業績と事業内容
業績に頭打ち感が出ているように感じます。利益は出ると思いますけれど資源リサイクル事業は既に一巡しているためこれから業績期待は難しそうです。
グループ企業は持株会社制になり同社と連結子会社8社から構成され、資源リサイクル事業を展開しています。また一部のグループ会社へ建物等の賃貸や各種サービスの提供を行っているそうです。
事業は金属リサイクル事業、自動車リサイクル事業、産業廃棄物処理事業、家電リサイクル事業、その他事業の5つに区分されます。金属リサイクル事業は全ての連結子会社において行っており、鉄スクラップ及び非鉄金属スクラップを扱う同社グループの主力事業です。
生産工場、建物解体業者、自動車解体業者、地方自治体及び同業他社から仕入れた金属スクラップを品物に応じてせん断、圧縮、破砕、選別し、金属原料として再資源化します。
鉄スクラップは製鋼原料として国内電炉メーカーのみならず、商社を通してアジアを中心とした各地に輸出されリサイクル原料として幅広く利用されています。
自動車リサイクル事業は自動車リサイクル法で定められた「引取業」、「フロン類回収業」、「解体業」、「破砕業」のすべての登録・許可を取得し、使用済自動車の処理を引取からパーツの販売や破砕までワンストップで行っています。
連結子会社のメタルリサイクルでは、使用済自動車の解体拠点を千葉県と埼玉県の2ヶ所で運営し、首都圏で発生する使用済自動車の再資源化に取り組んでいます。
仕入れた使用済自動車を専門工場で解体し、エンジン・外装部品などのパーツのほか、エンジンオイルなどの油脂、ハーネスまで回収して再資源化を行います。
産業廃棄物処理事業では、廃掃法又は廃棄物処理法に基づいて産業廃棄物の収集運搬と中間処分のいずれか、又は両方の事業を行っています。
都圏15ヶ所、関西1ヶ所、東海1ヶ所で産業廃棄物の中間処分の許可を持つ事業所を運営し、使用済の電子機器・OA機器等の多様な使用済製品の処理ニーズに対応しています。
同社グループは発生元(排出者)から産業廃棄物の中間処理に係る処理料を受け取っています。
家電リサイクル事業では「エアコン」、「テレビ」、「冷蔵庫」、「洗濯機」の4品目は、家電リサイクル法に従って認定業者が受け入れリサイクル処理を行います。家電リサイクル法が施行された2001年以前から、大手家電メーカーとリサイクル技術に関する共同研究を行っています。
その他事業で小型家電リサイクル法に基づく小型家電リサイクル認定事業者として国から認定を受け、市区町村経由、又は市民から直接回収した使用済小型電子機器を同社グループ又はグループ外のリサイクル企業でリサイクルを行っています。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会におけるメダルを小型家電リサイクル由来の金・銀・銅で製作するプロジェクトに参画しているそうです。
リバーホールディングス(5690)IPO仮条件と公開価格の日程
想定価格 | 920円 |
仮条件 | 920円~960円 |
公開価格 | 3月12日 |
想定価格から試算される市場からの吸収金額は約44.4億円です。オーバーアロットメントを含めると約51億円になります。東証2部で上場規模が大きいため人気も限定的だと思います。
しかも産廃やリサイクル事業となれば成熟企業なので投資魅力が低そうです。長期的には東証1部への上場を狙っているかもしれませんが上場段階では厳しそうですね。
リバーホールディングス(5690)IPOの幹事団詳細と会社データ
公募株数 | 4,247,200株 |
売出株数 | 575,600株 |
公開株式数 | 4,822,800株 |
OA売出 | 723,400株 |
引受幹事 | 野村證券(主幹事) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SMBC日興証券 みずほ証券 いちよし証券 大和証券 楽天証券 |
委託見込 | auカブコム証券 DMM.com証券(PR) |
野村證券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの申し込みで十分当選できそうだと思います。多分人気がないため当選確率は他の銘柄に比べ高いはずです。
SMBC日興証券から申し込みを行いIPOに当選した場合はキャンセルすると1ヶ月間IPO抽選に参加できなくなるので購入を考えていない方は申し込まないほうがよいです。株単価が低いのでチャレンジャーも多いと思いますけどね。
店頭証券と言われる幹事が多いためネット証券からは楽天証券とauカブコム証券からの申し込みができそうです。後期型抽選になるため上手に使い分けて申し込みを行いましょう!
相場が崩れるかも?というタイミングで積立を利用してTHEO(テオ)のETF投資を行うと成功期待があると思います。長期的に投資を始めるなら今がチャンスなのかもしれません!初めに設定を行えばあとは自動で売買してくれるため人気の投資です。
リバーホールディングスの会社設立は2007年7月02日、本社住所は東京都千代田区大手町一丁目7番2号東京サンケイビル15階、社長は松岡直人氏(70歳)です。※2020年2月18日時点
従業員数41人(臨時雇用者18人)、平均年齢41歳7ヶ月、平均勤続年数5年1ヶ月、平均年間給与約728万円です。連結従業員数は607人で臨時雇用者が184人となっています。
リバーホールディングス(5690)IPOの初値予想とロックアップ
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合 |
ベステラ | 2,500,000株 | 19.41% |
リバーグループ従業員持株会 | 1,706,450株 | 13.25% |
鈴木 徹 | 1,050,000株 | 8.15% |
鈴木 孝雄 | 1,000,000株 | 7.76% |
エンビプロ・ホールディングス | 540,000株 | 4.19% |
※上位株主の状況
【ロックアップ情報】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である中田光一、佐々木規夫、鎌田俊哉、杉浦義人、佐々木清江及び萩原茂雄、貸株人である鈴木孝雄並びに当社株主であるベステラ、鈴木徹、エンビプロ・ホールディングス、東京鐵鋼、鈴木雄二、鎌田英彦、エムエム建材、伊藤忠メタルズ、中田茂子、イボキン、成嶋亜男、酒井めぐみ、杉浦康一及び中田史子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2020年6月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。
また当社株主であるリバーグループ従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2020年9月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
幹事引受け株数と割合を調べた結果
幹事団 | 引受け株数 | 割合 |
野村證券(主幹事) | 4,195,900株 | 87.00% |
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 | 168,800株 | 3.50% |
SMBC日興証券 | 120,600株 | 2.50% |
みずほ証券 | 120,600株 | 2.50% |
いちよし証券 | 72,300株 | 1.50% |
大和証券 | 72,300株 | 1.50% |
楽天証券 | 72,300株 | 1.50% |
※目論見の訂正事項発表後に引受け株数を記載、委託幹事は記載なし
上場承認後の直感的初値予想と仮条件後の予想!
第一弾⇒ 850円~1,000円
※ファーストインプレッション
第二弾⇒ 900円~1,000円
※仮条件発表後
リバーホールディングス(5690)初値予想と市場コンセサンス
900円~1,050円
東証2部上場で51億円の吸収でしたが、仮条件が引き上がり53.2億円の吸収になりそうです。これは厳しいと感じますね。世界的に経済が縮小しようとしているため同社の収益源である地金相場も下落するはずです。
既にオリンピック関連の需要が落ち込み今期業績が減益になっていることも懸念材料です。流石に現在の地合いでは公開価格割れになる可能性が高いと思います。しかも配当は未定となっています。基本的にPERも低めになり材料で買われるようなことも少ない業種です。
自動車販売の伸び悩みや家電の伸び悩みも今後起きそうです。経済低迷で金属リサイクル事業にも大きな影響が起こるかもしれません。
2020年6月の連結業績予想は302.6億円で経常利益15.3億円の予想がでています。前期比較では売上17.5%減になり経常利益6.8%減の減収減益予想です。
EPS92.53なのでPERは10.38倍、BPS946.26なのでPBR1.01倍になります。地合い的に割安とは言えないでしょう。
リバーホールディングス(5690)IPOの評価と申し込みスタンス
ストックオプション期間 | 株数残 |
設定なし | -株 発行価格-円 |
ロックアップは90日間(2020年6月21日)、ロックアップの解除倍率設定はないため期日まで売却不可になります。リバーグループ従業員持株会にはロックアップ180日間(2020年9月19日)が別に設定されています。ストックオプションの設定はありません。
時価総額は東証データの上場時発行済み株式数の17,126,500株から算出すると想定価格ベースで約157.6億円になります。
上場規模が20億円程度であれば期待できそうですけれど50億円を超えるような吸収は厳しいと感じます。配当性向は前期で14.7%の実績があります。
競合に大手はいないと目論見に書かれていますが、地域性の問題でシェアを奪い合う感じですよね。一時期は相当な利益を上げていたと考えられますが現在では頭打ち感があります。
初値低めでその後も株価はあまり動かないかもしれません。東証2部ですからね。
引受けた株を全て抽選に回す証券会です⇒ マネックス証券
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